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イクボク

育児について語る時に僕の語ること

男性の育休取得にまつわるいくつかの誤解

育児休業(以下、育休)を取得して驚いたのが、

 

 

「育休について知っている人が意外と少ない」

「むしろ誤解している人の方がはるかに多い」

 

 

ということでした。(非子育て世代だけでなく、現役の子育て世代含め)

 

今回は、僕がこれまでに実際に目の当たりにした、育休にまつわるいくつかの誤解を解きながら、その制度について解説していきたいと思います。

 

※見出しには「男性の」と書きましたが、基本的には女性にもあてはまると思います

 

会社に制度が無いから取得できない

これは全くの誤解です。

 

育児休業とは、子どもを養育する労働者が取得できる休業のことで、法律によって認められた制度であり、産休や育休と同様、就業規則への記載が義務づけられています。

 

労働者は、その養育する 1 歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第5条より)

 

万一、就業規則に記載がない場合でも、事業主は労働者からの育休の申し出を拒否することはできません。

 

事業主は、労働者からの育児休業申出があったときは、当該育児休業申出を拒むことができない。(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第6条より)

  

つまり、(雇用期間が1年に満たないなど一部の例外を除き)男性も女性も正社員もパート・アルバイトも全ての労働者が育休を取得することができるのです。もちろん夫婦の同時取得も可能です。

 

※参考リンク

育児・介護休業法について | 厚生労働省

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律

 

育休中は収入が無くなる

これも実は誤解です。

 

育休期間中は「育児休業給付金」が支給されます。

 

給付金の支給額は、休業開始前の賃金の67%(半年以降は50%)となっていますが、育児休業給付金は非課税であり、社会保険料も免除されるため、実際は手取り賃金の8割程度が保障されることになります。

 

ときどきこの給付金を、全て会社が負担している、と誤解されている方がいらっしゃいますが、「育児休業給付金」は「失業給付金」と同様、雇用保険によって賄われており、その財源には労使折半の保険料と税金が充当されています。

 

※参考リンク

育児休業給付金が引き上げられました!! - 厚生労働省

「雇用保険」の仕組みと課題を知る:nikkei4946(全図解ニュース解説)

 

育休中は全く仕事ができない

意外に思われるかもしれませんが、これも誤解です。

 

例えば、イクメン社長として有名なサイボウズの青野さんは、第2子が生まれた際に週に1回水曜日を育休デーとして、半年間続けられたそうです。

 


「育児は、仕事の成果を見直す機会」サイボウズ・青野慶久社長に聞く"イクメン"の働きかた

 

育休期間中の就業については、就業時間が月80時間以下、あるいは会社から支払われる賃金が8割未満であれば、育児休業給付金支給の対象となります。

 

「会社を長期間不在にするのは難しい」という方は、出社日数や勤務時間を減らし、働きながら育休を取得するというのも一つの選択肢かもしれません。

 

 ※参考リンク

育児休業期間中に就業した場合の育児休業給付金の取扱いが変わります

 

育休を取ると出世に響く

育児・介護休業法では、育児休業の取得を理由とした不利益取扱いを禁止しています。

 

事業主は、労働者が育児休業申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第10条より)

 

また、不利益な取扱いに該当する具体的な行為として、以下が掲げられています。

 

イ 解雇すること。

ロ 期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと。

ハ あらかじめ契約の更新回数の上限が明示されている場合に、当該回数 を引き下げること。

ニ 退職又は正社員をパートタイム労働者等の非正規社員とするような労 働契約内容の変更の強要を行うこと。

ホ 自宅待機を命ずること。

へ 労働者が希望する期間を超えて、その意に反して所定外労働の制限、 時間外労働の制限、深夜業の制限又は所定労働時間の短縮措置等を適用 すること。

ト 降格させること。

チ 減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと。

リ 昇進・昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと。

ヌ 不利益な配置の変更を行うこと。

ル 就業環境を害すること。

(改正育児・介護休業法のあらまし P.42より)

 

つまり、育休の取得を理由として不利益な人事評価を行うことは違法である、ということです。

 

では、「育休を取ると出世に響く」というのは全くの誤解と言えるのか。

 

残念ながら、ある意味では事実だと思います。

 

なぜなら、育休期間中は評価の対象になり得ませんし、評価者も人間ですから同程度の成果をあげているのなら、休みなく頑張って働いている社員をより評価してあげたいと思うのが人情だからです。

 

ただ、「育休を取得するには仕事を諦めなければならないのか」というと、それもまた違うと思うのです。

 

たしかに、少なからずハンデを背負う可能性があることは否定しませんが、そのハンデを覆すほどの圧倒的な成果を上げることができれば、それはやはり正当に評価されるのではないでしょうか。

 

育休の取得が出世に及ぼす影響なんてそのくらいのものなんじゃないかな、と個人的には思っています。

 

※参考リンク

改正育児・介護休業法のあらまし

 

おわりに

厚生労働省の発表によると、現在、男性の育休取得率はわずか2%程度だそうです。

 

個人的には、全ての男性が必ずしも育休を取る必要があるとは考えていません。

 

ただ、もう少し“身近な選択肢”としてあってもいいんじゃないかな...とも思います。

 

ぜひ、一度夫婦で話し合ってみてはいかがでしょうか。

(了)